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技術紹介

第5回 生産管理システム~データ収集~

公開日:2022.06.24 更新日:2022.06.24

tag: 生産管理システム

こんにちは、Yu-saです。
全5回となる生産管理システムは、ついに最終回となりました。
最終回は「どのように情報を収集しているか」の説明となります。

データ収集とは?

弊社では各設備を制御しているPLCとデータ通信を行うことで、独立している各設備から情報を収集しています。
収集した情報は一元管理できるようにデータベースに登録を行うことでトレサビ等に使用しています。
また、PLCに必要な情報を通知することも可能で、外部からパラメータを変更するなどの生産の補助もしています。
収集する情報や通知する情報はお客様の要望に合わせてカスタマイズしています。

設備の情報をデータベースへ

PLCをネットワークに接続することでサーバに情報を収集することが可能になります。
その際、TCP/IP通信を使用してデータの送受信を行うのですが、メーカ毎に通信するためのフォーマットが異なっております。
異なっている通信部分はモジュール化することで違いを吸収しております。

対応実績のあるPLCの種類

名称メーカー
TOYOPUC株式会社ジェイテクト 様
MELSEC三菱電機株式会社 様

ハンドシェイク

PLCのデータは刻々と変化しています。
取得や通知するタイミングによってデータに違いが出てしまっては解析が困難になってしまいます。
変化し続けるデータで取得/通知中のデータの書き換えが行われないようにハンドシェイクを行うことで同じ状態を保持してやり取りを行っています。

ハンドシェイクの例:

手順対象内容
1PLC制御データ収集に渡すデータを格納
2PLC制御開始フラグをONにすることでデータの格納が完了したことを通知
3データ収集開始フラグを監視し、ONになることを確認
4データ収集開始フラグがONになったらデータを取得する
5データ収集終了フラグをONにすることでデータ取得が完了したことを通知
6PLC制御終了フラグを監視し、ONになることを確認
7PLC制御開始フラグをOFFにすることで初期状態に戻す
8データ収集開始フラグを監視し、OFFになることを確認
9データ収集終了フラグをOFFにすることで初期状態に戻す

収集

PLCから取得したデータはトレサビ等に使用するために上位のサーバに保存されます。
収集するデータの例としては以下のようなデータがあります。

データ説明
製品ごとのデータ品質、使用した材料、など製品ごとのデータを収集します。
収集したデータは品質保証などに使用できます。
設備ごとのデータ稼働状況、生産時に発生した異常、など設備機器に関わるデータを収集します。
収集したデータは設備のメンテナンスなどに使用できます。
環境のデータ気温、湿度、など周囲の状況に関わる情報を収集します。
収集したデータは状況の確認などに使用できます。
PLCから収集する場合の手順

通知

PLCにデータを通知することで色々なことが行えます。
通知するデータの例としては以下のようなデータがあります。

データ説明
時刻合わせデータ収集から現在時刻を通知します。
データを集約する際に時刻が統一されていることは重要になり、複数のPLCの時刻を統一することができます。
管理用PCからPLCへ生産で使用するパラメータの変更通知管理用のPCで設定したパラメータを通知します。
外部からパラメータを変更することができます。
また、複数のPLCに対してまとめて設定することも可能です。
異なるPLC間でのデータ共有データ収集が収集し、上位サーバに保存してある情報を他のPLCへ通知します。
データ収集や上位サーバを経由することで、直接接続できない他の工程で収集した情報も共有することができます。
データ収集のタイミングでデータを通知する場合の手順
PLCがデータ通知を要求する場合の手順

終わりに

全5回に渡る「生産管理システム」にお付き合いいただき、ありがとうございます。
本シリーズは今回で終わりとなりますが、これからもいろいろな紹介記事を提供していきます。

Yu-sa

Windowsアプリや組み込み系を担当しています。
最近はハードの知識も取り込みたいです。

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